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2021年7月16日 (金)

英語俳句が海外雑誌に掲載!

 絵画などのアートと詩との相乗効果をねらうエクフラシス理論を実践する芸術家専門の海外の雑誌The Ekphrastic Reviewに、わたしの英語俳句とその日本語版が掲載されました。

Ekphrastic Writing Challenge: Marian Spore Bush
https://www.ekphrastic.net/ekphrastic-writing-challenges/ekphrastic-writing-challenge-marian-spore-bush

 今回の課題はマリアン・スポール・ブッシュ(Marian Spor Bush)の"Peace"という絵画でした。これは明らかにシェイクスピア『ハムレット』のオフィーリアを描いたものですね。

 以下が採択された英語俳句とその日本語版です。英語俳句は5音節・7音節・5音節という構造です。

英語俳句:
A daisy caplet
by the dead maiden's body
Burial at sea

日本語訳
ヒナギクの花飾りが
死せる少女のそばにある
水葬のとき

日本語版:
ヒナギクの花とたゆたう死装束

 あと、こちらは採用されませんでしたが、今回の課題のために作ったシェイクスピア風ソネットです。abab cdcd efef ggの脚韻です。

"Die in Peace" by Toshiji Kawagoe

A woman, once who sucked the honey from
her fiancee's breath, a flower of sweet-scent,
has been dejected and her soul succumb
to death made her into the brook descent.

A garland made of flowers now spreads wide
and she like mermaid floats in cold water.
A dress in pearl white of unmarried bride
is blackened by the muddy backwater.

Ah poor Ophelia! Why did you not go
to there a nunnery which to your mind
a peaceful sanctuary could bestow
eternal life, only hope left behind?

Here comes an albatross who gets around
your neck and soon its burden lets you drowned.

 

「安らかに眠れ」by 川越敏司

この女性はかつて蜜のように甘い
許嫁の口から洩れる花のような香りを味わっていたが
いまは見捨てられ、死の誘惑に勝てずに
小川のせせらぎに身を投じてしまった。

すでにその花飾りはほどけて広がり
彼女は人魚のように冷たい水の上をただよっている。
この未婚の女性の真珠色のドレスは
汚れたよどみに黒く染まってしまっている。

かわいそうなオフィーリア! あなたはどうして
あそこに、修道院に行かなかったのだろう。
心に平安をもたらす聖所
永遠の命を授けてくれる、最後の望みのあの場所へ。

ほら、アホウドリがもうそこまで来ている。
あいつはあなたの首に巻き付いて、水の底へと引きずり込むだろう。

 

(注)albatross around one's neckは、一生ついて回る罪を意味する熟語。カトリックでは自殺を罪とみなすことをほのめかしています。

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