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2016年4月27日 (水)

ピアノでジャズ!(その2)

 お久しぶりです。ずいぶんこのブログも更新しなくなっていました。書きたいことは色々とあったのですが、つい怠けてしまっていました。

 今日は、ジャズ・ピアノのトレーニングについて、もう少し書いておきます。前回は、かなり初歩的な練習を中心に述べました。本日は、いよいよリード・シート(メロディとコードネームだけの楽譜)から弾くことについてお話します。

 といっても、あくまでも初心者のわたしの方法ですので、間違いなどがあるかもしれません。その点はご注意ください。ピアノのテクニック面でいえば、「ブルグミュラー25の練習曲」程度をやっているか、終了した程度の方を前提とします(わたしはバッハの「インヴェンションとシンフォニア」を何曲かやっているところ)。あと、基本的な楽典は理解できているとします。

 さて、リード・シートをもとにしてジャズ・ピアノを弾こうとしたとき、2つのことをクリアしなければなりません。(1)コードをどう押さえるか(ヴォイシング)、(2)アドリブはどうやってやるのか、です。

 まず、(1)のヴォイシングから。

 教則本を見ますと、ダイアトニック・コードがどうしたこうしたとか、色々と説明されています。もちろん、これらをきちんと勉強することは非常に大事です。ですが、とりあえず今、なんちゃってでもいいからすぐ弾きたい! という人のために、一番簡単なものだけ説明します。

 それは、「ルートなし2音ヴォイシング」というものです。要は、弾こうと思っているコードの3度と7度の2音だけを押さえるのです(ルートは、ベーシストが押さえてくれている)。

 例えば、Cmaj7ですと、コードの構成音はド・ミ・ソ・シなので、ミとシだけを押さえるというわけです。7thが入っているので、これだけでも結構ジャジーな感じがすると思います。

 そして、コード・チェンジですが、なるべく指を大きく動かさなくてよいように工夫します。ジャズでは頻繁に現れるツー・ファイブ・ワン(II-V-I)というコード進行を例にしてみます。ツー・ファイブ・ワンというのは、簡単に言えば、ダイアトニック・コードの2番目、5番目、1番目を順に弾くということです。Cmaj7ですと、Dm7-G7-Cmaj7ということになります。

 Dm7のコードの構成音はレ・ファ・ラ・ド、G7のコードの構成音はソ・シ・レ・ファです。なので、Dm7ではファとド、G7ではシとファを押さえればいいわけです。しかし、ここで2つのコードでファが共通なことに気づきます。

 なので、Dm7のときは左手の親指でド、小指でファを押さえ、G7に変わるときは、親指だけ1音左に寄せてシを押さえればいいことになります。そして、最後にCmaj7に移る際にはG7の押さえ方のまま、小指だけ1音左にずらしてミを押さえればいいのです。

Dm7  ファ  ド
G7   ファ  シ
Cmaj7 ミ   シ

 次に、応用として、ビバップ時代のピアニストたちがよく使っていたとされている2音ヴォイシングを説明します。この場合、コード構成音の1度(ルート)と7度、1度と3度を交互に弾きます。再び、Cmaj7のツー・ファイブ・ワンを例にしますと、次のようになります。

Dm7  レ  ド (1度と7度)
G7   ソ  シ (1度と3度)
Cmaj7 ド  シ (1度と7度)

 この場合も、なるべく指を大きく動かさないように運指を工夫します。まず、Dm7では左手の親指でド、小指でレを押さえます。次に、G7のとき、親指を1音左に動かしてシ、中指でソを押さえます。最後に、Cmaj7では、親指でシ、小指でドを押さえます。Dm7からG7に変わるとき、開いていた指をいっきにしぼませる動きになるので、少し練習が必要になるかもしれません。

 以上の2種類の2音ヴォイシングを覚えれば、簡単に多くの曲が弾けるようになります。

 わたしがこの2音ヴォイシングを知ったのは、次の教則本を練習していた時です。この中の練習曲で結構、このヴォイシングが用いられていて、ああ、これでいいんだ!と気づかされました。

Bill Cunliffe著、Jazz Invention for Keyboard (日本語版がATNから出版されています)

 これは素晴らしい名著で、理論は少しずつ紹介しつつ、予備練習と練習曲をとにかく弾いていくことで理論とテクニックを学ばせようというものです。どの曲も比較的短く、かつジャズ・テイストにあふれているので、練習していて楽しいです。付録のCDの演奏も素晴らしく、左側の音を消せばマイナス・ワン(ピアノ抜きの演奏)になるのも便利です。

 Bill Cunliffeさんは他にもう少し初心者向きの教則本も書いています。

Bill Cunliffe著、Jazz Keyboard Toolbox

 曲数は少ないですが、それが逆に最後までやり通そうという気にさせてくれます。この本では、同じ曲を最初は2音ヴォイシング、次に3音ヴォイシングで練習するようになっていて、段階的に効果的に学ぶことができます。また、練習曲も(オリジナル曲ですが)ブルース、ビバップ、(コルトレーン風)マイナー・ブルース、(ハービー・ハンコック風)モード旋法、ラテンなど色々なスタイルを学べます。こちらもCD付きです。

佐藤史郎著、かんたん入門ジャズ・ピアノ奏法

 これも参考になる本です。リズム、アドリブ、ヴォイシングの基礎を「かえるの歌」をジャズ風にアレンジすることを題材に、簡潔丁寧に説明してくれています。この本にも2音ヴォイシングのことが書かれています。巻末には、Blue Monkと枯葉のアドリブまで含めた採譜(レコードから音を拾って楽譜にしたもの)まであります。

John Valerio著、Bebop Jazz Piano(日本語版がATNから出版されています)

 こちらには、ビバップ期の2音ヴォイシングが説明されている箇所があります。バド・パウエルやセロニアス・モンクといったビバップ期の演奏法を色々学べて便利です。

 他にもあると思いますが、現在わたしがもっている教則本で2音ヴォイシングについて触れているのは以上です。さっそくみなさんも試してみてください。

 さて、次はいよいよ(2)アドリブです。

 アドリブの練習法ですが、まずはCDをたくさん聴くこと、これに尽きます! これは確かに真理です。わたしも学生時代から、マイルス・デイビス、チャーリー・パーカー、ビル・エヴァンス、セロニアス・モンク、ジョン・コルトレーン、チャーリー・ミンガス、ハービー・ハンコック、キース・ジャレット、チック・コリアなどなど、楽器を問わず定番のCDをたくさん買っては聴いてきました。自然とフレーズが鼻歌で出てくるくらい聞き込む、それが最善のアドリブ習得法だと思います。

 でも、教則本を見ると、スケールがどうのこうのとか書いてあって、理論をいっぱい勉強しないといけない上に、コード変化を聴き分ける耳が良くないといけないんじゃないですか? という疑問の声も聞こえてきそうです。わたしもそうでした!

 そこで、とりあえず、なんちゃってでもいいので、ジャズっぽいアドリブができるようになりたいという人に、とっておきの方法を説明します。

 まず、結論を述べます。(1)ブルースをブルーノート・スケール一本でアドリブ、(2)メジャー・スケールのドリアン・モード一本でアドリブ、以上です。

 どちらにも共通していることは、曲中のコード変化に関係なく、1つのスケール上でアドリブすればいい、という点です。なので、各スケールを12のキーで弾けるようになりさえすればOKということになります。

 まず、ブルースですが、最も基本となるコード進行は、以下の12小節のようになります(多くの曲では、後半をツー・ファイブにしたりして変化を入れます)。

I-IV-I-I
IV-IV-I-I
V-V-I-I

 コードは普通ドミナント7thですので、よく弾かれるFのキーではこうなります。コードが3つなので覚えやすいですね。

F7-Bb7-F7-F7
Bb7-Bb7-F7-F7
C7-C7-F7-F7

 それで、左手ではこのコード進行に従って2音ヴォイシングで演奏しつつ、右手ではブルーノート・スケール(ブルース・スケール)上でアドリブします。

 ブルーノート・スケールというのは、メジャー・スケールで3度、5度、7度の音を半音下げたものになります(正確には、これはメジャー・ブルース・スケールと言われます)。普通は、2度と6度の音を省き、5度を足したものを使います。Fのキーですと、

 ファ(1度)、ラb(3度b)、シb(4度)、ドb(5度b)、ド(5度)、ミ(7度)

になります。まずは、これらの音を下から上へ、上から下へと順番に弾いてみてください。とってもブルージーなジャズの音に聞こえますね! 

 このスケールで少し遊んでみると、有名なジャズの曲とよく似たフレーズが自然にでてくることに気づくと思います。試しに、ジャズ・スタンダード集を繙いてみると、ブルースの名曲がたくさんありますが、そのメロディを弾いてみると、ブルーノート・スケールをいったりきたりしているだけ、と感じる曲も多いです。

 ということで、まずはブルースの曲をブルーノート・スケールでアドリブしてみましょう。最初は、スケールを上昇・下降するだけでもいいです。アルペジオ風に1音飛ばしで弾いてもいいです。だいたいどんな弾き方をしても、なんかそれっぽく聞こえます。

 少し慣れて来たら、CDをよく聞いて、そこで弾かれているアドリブの一部だけでも耳コピーしてみましょう。Cool Struttin'、Now the time、Bag's Groove、C Jam Blues, Blue Monkなどが有名なブルースの曲です(かつ、比較的弾きやすい)。CDから採譜された楽譜もありますので、色々と試してみてください。

 ブルースのアドリブについてもっと知りたいという人は以下の本などを参考にするといいと思います。

貴峰啓之著、やさしいブルースアドリブ入門

D.Greenblatt著、ジャズインプロヴィゼイションのための必須ツール ブルーススケール

 さて、ブルースについてはブルーノート・スケールでいいとして、他の曲はどうすればいいの? ということになりますね(わたしもそうでした)。そんなわたしに、メジャー・スケールのドリアン・モード一本でいいんだよ、と教えてくれたのが以下の本です。

友寄隆哉著、禁断のジャズ理論

 ジャズの世界でモード旋法を導入したのがマイルス・デイビスのKind of Blueというアルバムです。この中のso whatという曲は、なんと基本的には1つのコードだけで全曲弾かれています(途中で一度、転調がありますが)。ハービー・ハンコックの楽譜などを見ても、ずっと1つのコードで何小節も行く箇所があります。いわゆるso whatコードというものですが、ここでアドリブに使われるのがドリアン・スケールです。

 Cmaj7でいうと、ドリアン・スケールは2度の音、つまりレから始めてレ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド・レという音階になります。

 さて、左手はCmaj7のままで、ドリアン・スケールでアドリブをしてみましょう。要は、白鍵をずっと弾いていればいいということですね! 

 このとき、左手のヴォイシングは、4音ヴォイシング、つまり、ド・ミ・ソ・シを全部押さえる方がかっこいいと思います。そして、電子ピアノやキーボードの場合は、音色を電子ピアノに変えてみてください。すると、なんだかチック・コリアやハービー・ハンコックの音楽のように聞こえます。

 先ほど触れたBill Cunliffe著のJazz Keyboard Toolboxにはこのタイプの曲の練習が含まれています。あと、このタイプの有名な曲は、so whatの他、impressions, 処女航海などがありますね。

 本当にドリアン・スケールだけでいいの? と疑問に思われる人は、上記の本を読んでみてください。so whatのような曲でなくても、コード進行から外れる音を思わず弾いてしまう確率はかなり低いことが説明されています。

 とはいえ、やはりこれで大丈夫なのかなあ?と感じる人もいると思います。その場合、部分的に応用するといいと思います。

 例えば、ツー・ファイブ・ワンのコード進行の場合、主コードに対するドリアン・スケールを弾き続けるというのは理論的に何の問題もありません。Cmaj7だと、Dm7-G7-Cmaj7を弾いている間、Dドリアン・スケールだけを弾くということです。それぞれのコードトーンが何かとかを考えなくてもよいので便利ですね。

 これより進んだことをしようと思ったら、テンションとか色々と勉強しないといけませんね。でも、とりあえずここに書いたことだけでもすぐに演奏してみて試したいという人は、さっそくリードシート集を買いましょう。

 次の本は、冒頭にかなり詳しくアドリブの作り方などが書いてあり、曲ごとの解説も(この手の本にしては)詳しいので、はじめの1冊としてお勧めです。

富塚章著、はじめてのジャズ セッションで困らないための必修スタンダード50曲

 解説は上の本ほど詳しくはなく、曲数も少ないですが、こちらもいい本です。

宮前幸弘著、はじめてのジャズピアノトリオ

 もちろん、最初から本格的にやりたい人は、以下を手に入れるべきです。

納浩一著、ジャズ・スタンダード・バイブル

 最後に、ジャズ・ピアノの勉強を続けていく上で欠かせない教科書を挙げておきます。

マーク・レヴィン著、ザジャズピアノブック

 これはまさにバイブルです。知りたいことがすべて書いてある。かといって、難しい理論書かというとそうでもなく、段階的にジャズ・ピアノのための理論とテクニックを、譜例や練習曲を交えながらわかりやすく解説してくれています。(すべてはすぐに理解できないにせよ)初心者から使える名著です。Must buyです。

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