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ごあいさつ

 北海道函館市の公立大学で教員をしている川越敏司と申します。同姓同名の経済学者がおりますが、それはわたしです。川越達也という料理家がおりますが、縁戚関係はありません。

 2015年1月より、チェス・プロブレムの創作を始めました。The Problemist, Die Schwalbe, StrateGems, Problem Paradise, KoBulChessなどのプロブレム専門誌に作品が掲載されています。

 2018年暮れより、俳句投句を再開しました。漢詩や川柳も少し。

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[受賞歴・掲載歴]

第5回京町川柳大賞「京町川柳賞」受賞

愚陀佛庵インターネット俳句会2014年10月分・秀逸

「父さんのはさみ」(第6回宮城学院ハートフル童話賞、最終選考

「インディアン・ポーカー」(第9回小説現代長編新人賞、第1次選考通過、2次落選

「懲役千年の刑」(第22回小説の虎の穴、佳作

「山の家に住む少女」(第23回ゆきのまち幻想文学賞、予備選考通過、最終選考落選

「ぎこちないハーモニー」(第47回北日本文学賞、第2次選考通過、3次落選

「新しい国への扉」(樹立社ショートショートコンテスト2012、5等星 [2位] )

「インディアン・ポーカー[短編]」(第19回電撃小説大賞、第1次選考通過、2次落選

"Time of departure"(AnotherRealm、2012年4-5月期コンテスト、第3位入賞

「ハンナの夕食」(第5回宮城学院ハートフル童話賞、最終選考

「暗闇の中の光」(第157回コバルト短編小説新人賞、もう一歩の作品

「インディアン・ポーカー[短編]」(第3回創元SF短編賞、第1次選考通過、2次落選

「皮肉な方程式」(第3回創元SF短編賞、第1次選考通過、2次落選

「インディアン・ポーカー[SS]」(『SFマガジン』2011年10月号「リーダーズ・ストーリィ」、作品掲載

「五人のパパ」(『SFマガジン』2011年6月号「リーダーズ・ストーリィ」、選評掲載)

「ロボットの沈黙」(『SFマガジン』2011年6月号「リーダーズ・ストーリィ」、選評掲載)

「水たまり」(『小説現代』2011年5月号「ショートショート・コンテスト」、選考通過、第9席

「老年期の終わり」(『SFマガジン』2011年4月号「リーダーズ・ストーリィ」、選評掲載)

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 投稿記録は以下のウェブページに掲載しています。また、メールでの連絡先もこちらにございます。

http://www.fun.ac.jp/~kawagoe/sakuhin.html

 この記事の次からが最新の記事となっています。英語や古典ギリシア語からの翻訳ショートストーリーなど、様々なお話をお届けしています。そのうちフランス語からの翻訳ストーリーもお届けできると思います。ほとんど備忘録程度ですが、本の紹介も随時行っています。どうぞお楽しみください。

2019年4月24日 (水)

漢詩初投稿

以前より、漢詩を創ってみたいと思っておりました。

色々と古今の詩集を買ってみたり、入門書や教科書を読んでみたり。

ずいぶん時間がかかりましたが、この3月に初めて一首できまして、さっそく「漢詩を創ろう」サイトに投稿しました。

 

「漢詩を創ろう」

http://tosando.ptu.jp/

 

「漢詩を創ろう」サイトは、『漢詩を創る、漢詩を愉しむ』(リヨン社)という漢詩のテキストを書かれている鈴木淳次先生が主宰されています。

投稿した漢詩は以下の七言絶句です。先生が丁寧に添削してくださっていますので、詳細はサイトの方をご覧ください。

 

「待春」 川越雷鳴

孤村春暁草初萌
雨後新鶯放数声
野客逍遥幽谷裏
紅霞妖艶一枝横

孤村春暁草初めて萌し
雨後新鶯数声を放つ
野客逍遥す幽谷の裏
紅霞妙艶一枝横たう

(下平声「八康」の押韻)

 

 七言絶句は4句からなり、1,2,4句の末尾の語が同じ韻を踏む必要があります。本作の場合、下平声「八康」の押韻となっています。その他、中国語の四声に対応する、平と仄という語のアクセントの並べ方にも規則があります。こういうと難しそうに聞こえますが、「詩語表」という押韻や平仄、テーマ別に二字、三字の熟語が分類された辞書がありまして、そこから言葉を選んでくることで、詩作はかなり楽になります。

俳句生活、佳作

夏井いつき先生選・俳句生活。3月の兼題「燕」の発表がありました。

https://www.cataloghouse.co.jp/yomimono/haiku/?sid=top_haiku

わたしの句も1つ、佳作にとっていただきました。 

磨かれた靴の上にも燕来る」川越雷鳴

磨きたての靴で新しい人生の第一歩を記す新入生(社員)。その門出を祝うかのように飛来する燕を詠みました。

2019年4月12日 (金)

俳句ポスト365、並選

夏井いつき先生・選、俳句ポスト365。今回のお題は「サイネリア」。

わたしの句も並選に採っていただきました。ありがとうございます。

サイネリア空にふくらむ落下傘」川越雷鳴

難しい季語でした。取り合わせを何にするか、が課題ですね。わたしの場合は、この花の形がパラシュートみたいだという連想で詠んでみました。

2019年4月 6日 (土)

第5回京町川柳大賞「京町川柳賞」受賞!

毎年開催されている京町川柳大賞。今回、第5回に初めて参加してみました。
3句応募して、そのうちの1句が「京町川柳賞」を受賞しました。

受賞の確認の電話が先ほどありまして、以下のサイトの方を見てみたら、すでに受賞作品が公表されていました。第5回のポスター画像に受賞作がまとめられています。

 

第5回京町川柳大賞

u0u0.net/XDLP

 

ちなみに、受賞したわたしの作品は以下です。

化粧前の見知らぬ人と朝ごはん」川越雷鳴

俳句と違って季語もなく、また特にテーマのしばりもなかったので、どういう句にするか、ずいぶん苦心した記憶があります。

とりあえず、ユーモアのある句にしようと思いました。

また、俳句と違って、川柳の賞は賞品が授与されるのがうれしいですね!

 

 

2019年3月29日 (金)

俳句ポスト365、並選

夏井いつき先生選・俳句ポスト365に初めて投稿してみました。

 今回のお題は「柏落葉」。

 枯れた後も、厳しい冬の間、枝にしがみついていた柏の葉も、春には落葉するということ、今回はじめて知りました。老いたる者は去りと、どうしてもそこに悲しい物語を読み込んでしまいがちです。しかし、一方で、枯れてもまだ散らず、という力強さも感じます。 そんな両面のある、広がりのある季語だと思いました

 いくつか送ってみましたが、わたしの句も1つ、並に採っていただきました。

襲名の歳迎えたり柏若葉」川越雷鳴

 春になって若葉が萌え出し、冬を越した柏落葉を散らす。それを代変わりして襲名の歳を迎える子に例えました。

 

2019年3月26日 (火)

ますもとたくや『きゃくほんかのセリフ!』

本書『きゃくほんかのセリフ!』(ガガガ文庫)は、『ゾンビランドサガ』や『けものフレンズ2』の脚本で活躍中のますもとたくやさんのラノベ新シリーズ。

 前作までは「経済系」ということでしたが、今回はタイトルからも明らかなとおり、ご本業の知識や経験を生かしての作品となるようです。

 あらすじは以下の公式のもので尽くされている、という感じがします。

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デビュー作以来、鳴かず飛ばずで、うだつのあがらない脚本家・竹田雲太。
ある日、そんな彼の元に大きな仕事が舞い込んで来る。
だが、その作品はテレビアニメの放送後、何かとトラブル続きな作品の劇場版だった。しかも依頼してきたのは竹田の宿敵とも言える制作会社の極悪プロデューサー。何かあるとは察しつつも、生活のため背に腹はかえられず引き受けることにした竹田。

そんな彼のところに「お兄ちゃんが貸したお金を返せ」という少女が押しかけてくる。彼女は、かつて竹田の相棒だった男の妹である佐江だった。
ただでさえ曰わく付きの作品の脚本を書くことになって大変なのに、騒がしい佐江がやってきてパニックになる竹田。
しかも佐江は、竹田の言う業界で生き残るために必要な「大人の事情」などお構いなしに、視聴者側のストレートな正論でことごとく竹田を論破する。

仕事では振りまわされ、家に帰れば佐江に振りまわされ――。
だが竹田は、佐江のそんな理想論に振りまわされていくうちに、かつて相棒と共に戦っていた頃の情熱を取り戻していく。
厳しい現実に押し潰されながらも夢物語を書き続ける男の、再起と情熱の物語、開幕!!」

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 それで、実際に読んでみた感想ですが、面白いと思います!

 まず、冒頭で、主人公の脚本がとんでもない方向に改作されていく様子からして、読者を引き込んでいきます。

 自分の脚本がそんな風にいじられながらも、お金のためだと割り切る主人公。しかし、やがて彼が脚本家を続ける本当の理由が見えてきます。

 アニメに限らず、作品は多くの人の協力の下で作られていくわけで、そのあたりの「大人の事情」などをほろ苦く描きつつも、純粋な心をもつヒロイン佐江に引きずられるように、亡き親友との約束を果たそうと決意する主人公の姿勢に目が離せません。

 「お仕事系」の作品としては、もう少し脚本の書き方とか「お勉強」的なところを増やした方がよかったのかな?と思うところもありますが、そのあたりは今後、佐江が天才少女脚本家としてデビューしていく中で(とは書いていないけど)披露されていくのかな、と思います。

 本書の何よりの読みどころは、やはり、猿蟹合戦を下敷きにしたアニメ作品の脚本を、原作者側やスタッフからの無茶ぶりな要求に合わせてどのような落としどころにもっていくのか、その試行錯誤のプロセスだと思います。おそらく、この「劇中劇」だけでも1つの作品になりそうなアイディアが含まれており、読者は「一粒で二度おいしい」思いをすることと思います。

 ちなみに、主人公の竹田雲太は人形浄瑠璃(文楽)『仮名手本忠臣蔵』『義経千本桜』などを書いた竹田出雲、ヒロイン門松佐江とその亡き兄、近雄の名前は、同じく浄瑠璃作家の近松門左衛門のもじりになっていますね。絶筆宣言をした作家とか、あの有名人を想起させたり、色々と遊び心もあって楽しいです。

 あえて難を言えば、いまのところ主人公に恋愛の可能性が微塵も見えないというところでしょうか。「お仕事系」なので仕方ないのかもしれませんが、やはり恋愛要素がほしいところですね。

 また、今回はアニメ映画の脚本が舞台になっていますが、一方で主人公は(お金にならない)小劇場の脚本も手掛けており、今後そちら方面の話も見てみたいところです。ちなみに、小劇場を舞台にした作品では、有川浩さんの『シアター!』という名作がすでにあるので、ますもとさんがどういう作品にするのかを見てみたい、という気持ちがありますね。

 毎年たくさんのアニメ作品が作られますが、脚本家になる(続ける)人は非常に少ない、ということで、この作品をきっかけに脚本家になってみようという人が出てくるといいですね(徹夜仕事とか、人間関係とか、大変そうですが)。

 読み終わって、いま無性にカニが食べたいです。

 

俳句道場、入選B

谷村秀格先生選・俳句道場、最終回となる第109回のお題は「蝶」。わたしの句も1つ、入選Bに採っていただきました。短いおつきあいでしたが、勉強させていただきました。

蜜に酔ふ色隠しおり紋白蝶」川越雷鳴

 

2019年3月 6日 (水)

俳句道場、入選B

「俳句道場」2回目の参加。選者は、谷村秀格先生。

第108回のお題「ぶらんこ」。1つ採っていただきました。入選Bです。

ふらここや見知らぬ子らを連れ来たる 川越雷鳴

次回で俳句道場も終了だそうですから、もう少し上にいきたいですね!

現代俳句協会 第215回インターネット俳句会

5年位に前に入会した現代俳句協会のインターネット俳句会に久しぶりに参加してみました。

毎月3句まで投句できて、選者の評のほか、投句者同士の投票があり得票順位が公表されます。

今回わたしが投句した中では、以下の2句に票が入りました。ありがとうございます。この句会では季題は設定されていないので、自分で「踏絵」を設定してみました。

影を踏む子らもためらう絵踏かな     2 点
足指で十字作りて絵踏かな     1 点

2019年2月27日 (水)

俳句道場、入選B

少し思うところがあって、また俳句を始めてみました。

今回初めて参加するのは、広島テレビ「テレビ派」で2週間に一度募集されている「俳句道場」。選者は、谷村秀格先生。

俳句道場

今回の第107回は、お題「受験」でした。

応募総数はわかりませんが、たぶん何千句も投句されているのではないかと推測します。

大賞、入賞、特選A、特選B、入選A、入選Bの順に評価されます。それ以外に、ユニーク(句)欄があります。

今回わたしは4句投句して、1つが入選Bに選ばれました!

笑み交わす君も敵なり大試験」 川越雷鳴

とはいえ、「入選Bは原則、直接表現や思いが(ココロ・出来事)が先行しすぎた句」ということなので、もっと頑張らないといけませんね。

2017年12月 7日 (木)

フルートはじめました!(その2)

 お仕事の合間になんとか時間を見つけて、ロングトーン(ソノリテ)とスケール・アルペジオといった基礎は欠かさずに、毎日フルートの練習を続けています。

 今のところの課題は、高音域をもっとキレイにすばやくスムースに出せるようになることですね。テキストやインターネット上の記事・動画を参考に、アンブシュアをすばやく適切に変化させるとともに、息の量・速度をうまくコントロールできるようにがんばっています。

 曲の方については、ようやく最近、買ったまま放置していたベーレンライターの楽譜を開いてみて、練習するレパートリーを選択しました。それは以下の通りです。

・ヘンデル フルート・ソナタ ハ長調 HWV365 Op.1, No.7
・テレマン 6つのソナタ(フルート二重奏) ト長調 Op.2 TWV40:102
・モーツアルト フルート四重奏曲 ニ長調 KV285
・バッハ フルート・ソナタ ロ短調 BWV1030

 笛吹きの間では有名な曲ばかりですね。おそらく、難易度は上に並べた順番であると思います。面白いことに、これらの曲は、(バッハだけ移調しないといけませんが)音域的にはアルト・リコーダーでも吹けるので、フルートと両方で楽しめますね。

 いま練習しているのは、ヘンデルとモーツアルトです。いまはまだ音を出しているだけ、というレベルです。特に、モーツアルトの第1楽章は高音域をきれいに出す練習として重宝しています。

 フルート単独で演奏していてもいい曲ですが、やはり伴奏があったほうがいいですよね。ということで、色々なテンポでの伴奏が収められたCD付きの楽譜を注文したところです。

 また、ムラマツフルートで制作しているレッスンDVD(テレマンを除く)を注文していて、今日届きました! これを何度も見て、ニコレ先生たちから色々と技を盗もうと思います。

 さて、話は変わりますが、先月末に仕事でパリ・ニースを巡ってきました。お仕事の帰りに、楽譜店に行き、色々と楽譜を仕入れてきました。

 パリには、La Flute de Pan(パンの笛)という有名な店に行きました。オペラ座(ガルニエ宮)の北側、サン・ラザール駅の西側を通るローマ通りをさらに少し北に進むと、店舗が3つあり、そのうちの1つが管弦楽器専門店です。品揃えも充実しており、店員さんも親切です。

 あと、そのすぐ近くにAriosoという店があります。こちらは中古の楽譜も置いてあり、独自ブランドなのか、簡易な製本ですが格安の楽譜(ピース)が売っています。どの版をベースにしたのかもわからないで本格的な使用には耐えませんが、練習用と割り切れば使えます。印字もキレイで、IMSLPからダウンロードした楽譜を印刷しただけ、みたいなものとはさすがに品質は違います。

 それで、そのAriosoでドビュッシーの「シランクス」のピースを買いました。1ユーロ(130円くらい)です。他に、フォーレの「ファンタジー」も買いました(パート譜と伴奏譜のセット、5ユーロ)。

 バロック時代もそうですが、近現代もフランス系の作曲家がフルートの名曲を色々と作曲しています。それで、パリでもニースでも、ホテルに帰ってから調べて、また翌日楽譜屋に立ち寄るということをして、めぼしいもの(吹けそうなもの)を色々と買ってきました。

 まず、ボザです。「イマージュ」が有名ですが、ボザは簡単な曲も色々と作曲しています。今回ニースで購入したのは、「4つの小品 Quatre Pieces Faciles」と「ヴィエール(手回し琴)のエア Air de Vielle」です。ちなみに、ボザはニース生まれの作曲家です。ニースの楽譜店Madrel Musiqueはレパント通りの北側にあります。ここも、新刊の他に中古楽譜を置いています。

 あと、パリに戻って飛行機を待つまでの間に再び楽譜店に行き、リヴィエの「優しい鳥 oiseaux tenders」、オネゲルの「牝山羊の踊り La Danse de la Chevre」、ライネッケの「ウンディーネ」(これはフランス系でもなければ、易しくもないですね)を買いました。

 こうしたフランス系の小品にも、いずれ取り組んでみたいと思います。なお、「シランクス」については、ムラマツフルートのDVDを買って視聴しました。ニコレ先生の指導内容がとても基礎的で示唆に富んでいてとても参考になりました。

2017年11月17日 (金)

フルートはじめました!

 1か月くらい前にフルートを買いまして、フルートの勉強を始めました。

 なぜ、47歳にもなって、いまさらフルートなどを始めたのか? 実をいうと、かなり最近までフルートなど、演奏は愚か、録音を聞くという面でも、全然見向きもしていなかったのに、なぜ?

 その理由を説明すると長くなるのですが、要はバッハの音楽を極めたい、ということに尽きますね。ピアノでも学ぶところが多いのですが、もう少し視野(レパートリー)を広げてみたいということです。

 直接的な契機は、バッハのコラールですね。和声の勉強でバッハの四声コラールを勉強するというのが、パリ音楽院はじめ、本格的に作曲を勉強する人にとっては必須科目ですね。

 まあ、そういう難しいことを言わなくても、バッハの声楽曲でのアリアや合唱に魅力を感じない人はいないと思うのですが、それをピアノだけで演奏すると、ちょっと寂しいかな?と思い始めたのが、最初のきっかけです。

 ちょうど、10月はルターによって宗教改革が始められてから500周年ということで、ルターやカルヴァン詩編歌の楽譜を手に入れました。それで、宗教改革記念礼拝での出し物のために、これをピアノで練習していたのですが、ふとリコーダーで合奏したら面白いんじゃないかと思い始めました。オルガンで演奏するのと似た響きがするのではないか?と思ったのです。それで、妻と娘と3人で試しにリコーダーで合奏してみたら、これがいい感じだったんですね。

 それから、色々な曲をリコーダーで合奏しようと試みるのですが、例えば、ピアノ用の楽譜などを基にすると、リコーダーの音域(2オクターブちょっと)の問題で、そのままでは吹けない。移調しても難しい、ないし、響きがあまりよくない。そこで、フルートの登場です。

 これと並行して、通奏低音の勉強ということがありました。通奏低音というのは、現代的に言えば、和声のバス課題を即興で演奏中に行う技術のことです。楽譜に書かれたバス声部(+記号)に合わせて、鍵盤楽器ないしギターやハープなどの弦楽器で和音を適切につけるという伴奏技術のことです。

 ヘンデルの課題による教本とか、色々と資料を集めて勉強するのですが、やってみると伴奏だけではつまらない。ヴァイオリンとかのメロディの方もやりたいなあ、という気持ちになってきました。

 しかし、ヴァイオリンなどの弦楽器は、ちゃんとしたものはかなり高額ですし、音もでかくて、室内で演奏するには向かない。また、調弦とか色々、音を出す前の段階で大変なことも多く、習いに行かないとものになりにくそうだ。しかし、習いに行く時間的余裕はない。さて困った、というときに、フルートがあるじゃないか!ということになったわけです。フルートは、管楽器の中では比較的音量が小さい方ですし、価格もまともなエントリーモデルでもかなり安い。

 こうした2つの理由がほぼ同時に発生して、フルートを買うことになったんですね。

 しかし、もちろん、いままで管楽器の経験はリコーダー以外にはないので、まずは試しでファイフを買いました。ピッコロの前身にあたる楽器で、子供のフルート入門に使われたりしていますが、マーチングバンドでの演奏など本格的な利用ももちろんあります。

 それで、はじめファイフを吹きながら、同じ運指で1オクターブ上の音はどうやったら出せるんだろう?とか、色々試行錯誤しながらも、なんとか吹けるようになったところで、いよいよフルートを買いました。

 最初に買ったのは、Aulosのフラウト・トラヴェルソAF-1です。これは、モダンピッチのバロック・フルートです。バロック・ピッチのAF-3の方がよかったのですが、リコーダーなどとの合奏を考えたときに、モダンピッチがいいだろうという判断です。

 なぜ、ベーム式モダン・フルートではなくトラヴェルソを買ったのかと言えば、やはりバロック時代の楽器でバロック音楽を吹くのが正攻法だろうということと、モダン・フルートよりも値段が安く、樹脂製なのでメンテナンスしやすいためです。

 トラヴェルソは2オクターブ半の音域があるので、色々と演奏の可能性が広がりましたが、当然のことですが、バロック以降の音楽を演奏する上では音域的に色々と不利な点もあります。下手でも少し吹けるようになると、バロック音楽だけではなく、ドビュッシーとかフォーレとかもやってみたくなるものです。

 ということで、モダン・フルートも買ってしまいました! 最初は、中古でカバードキイのC足部管という一番ポピュラーなものを買いました。それから、新品でリングキイのH足部管を買いました。

 トラヴェルソやリコーダーの場合、管に空いている穴を指で押さえて音程を変えるわけですが、このため、指先に自分の息の圧を感じることができます。ところが、カバードキイでは当然ですが、それが感じられません。まあ、他にも替え指や現代曲の特殊奏法の可能性が広がるといった理由もありますが、リングキイも試してみたいと思ったわけです。

 いまはメインでリングキイのモダン・フルートを使っています。朝に、マルセル・モイーズの「ソノリテについて」やタファネル&ゴーベールに載っているスケールやアルペジオ課題などの基礎練習を30分~1時間くらいして、夕方帰宅後には、もう一度簡単に基礎練習のおさらいをしてから、曲の練習をしています。

 当面は、教会のクリスマス会での出し物用のクリスマス・キャロルの練習です。あとは、適当に好きな曲を吹いたりしています。だいたい、全音から出ている「やさしいフルート曲集」(上・下)から選んでいます。

 あと、割引セールの時に買った、バッハやヘンデル、テレマンやモーツアルトの楽譜は、一部の楽章は吹けそうですが、1曲全体となるとまだまだ道は遠いです。1年後には、(この中では一番難易度が低いとされている)ヘンデルのソナタくらいは吹けるようになりたいですね!

 

2017年9月 1日 (金)

バッハ平均律フーガの難易度

 最近は、毎朝、バッハの平均律クラヴィーア曲集のプレリュードやフーガを何曲か弾いています。

 といって、わたしのレベルではどの曲でも弾けるわけではありません。それで、今日はバッハ平均律フーガの難易度について、私見を述べてみたいと思います。

 とはいえ、専門の教育を受けているわけでもなく、趣味で弾いているだけですので、プロやプロを目指している方の参考にはならないと思います。

 さて、バッハ平均律の難易度については、バルトーク版が難易度順に曲を並べ替えているのが有名です。実際、この楽譜を持っていますが、どういう基準で並べたのかはドイツ語の説明を読んでもよくわかりません。おそらく、フーガの難易度順だとは思うのですが、そこは大作曲家にして偉大なピアニストのバルトーク、案外難しい曲が前半にあったりもします。

 他に参考になるのは、ヘンレ社のウェブ・カタログです。ここには、プレリュードとフーガに分けて、難易度が数値で表示されています。こちらは、おおむね納得感のある難易度になっているような気がします。

 ところで、難易度とはどうやって決める・決まるのでしょう?

 まず、わかりやすいところでいえば、声部の数でしょうか? 4声よりも3声、3声よりも2声が簡単という風になるでしょうか? 平均律第1巻第10番は唯一の2声フーガですが、必ずしも一番簡単とはいえないようです(ヘンレ社では一番容易[レベル4]ですが、バルトークは4番目に置いています)。

 確かに、2声だと「2声インヴェンション」と大して違わないので簡単だと考える人もいるようですが、声部が少なくなるほどテンポが速くなる傾向があるので、曲の作りは簡単でも演奏は難しい、ということもあるかもしれません。むしろ、3声や4声の方がテンポがゆっくりで弾きやすい、ということもあるかもしれません。

 テンポについていえば、長調の曲よりも短調の曲の方が比較的ゆったりしているので、他の条件が同じならば短調の曲の方が弾きやすいかもしれません。

 バッハ自身はテンポについてはハッキリ示していない場合が多いので、長調の曲でもゆっくり弾けばいいかもしれません。

 もちろん、バロック時代の演奏習慣や曲調からだいたい妥当なテンポが決まってくると思いますが、アファナシエフとかジョン・ルイスの演奏ではかなり遅いテンポで弾いても立派に音楽になっているので、趣味で弾く限りは、テンポにはあまりこだわらなくてもいいかもしれません。

 あと、いわゆる「黒鍵恐怖症」の人にとっては、♯や♭が多い曲を難しく感じるかもしれません。ショパンも言っているように、人間の指の長さの違いから、実は黒鍵がある程度ある方が指が自然に動くので弾きやすいはずですが、譜読みが難しいという人はいるのかもしれません。

 他に難易度に関係しそうな事柄としては、当然、演奏上のテクニックがあります。オクターブを超える跳躍があったり、オクターブかそれ以上に指を開いたまま片手で2声を弾くといった部分は、曲の演奏を難しくします。こうしたテクニック上の難所があれば、当然、曲の難易度は上がります。

 最後に、あまり言及されることがない要素を1つ挙げたいと思います。それは、曲の長さです。この場合、演奏時間ではなく、単純に曲の小節数で見て、短い曲ほど易しいという考えです。曲が短いほど暗譜がしやすいですし、社会人で日頃十分に練習時間が取れない人でも、1曲を通した練習がしやすいです。

 それで、平均律のフーガ各曲の小節数を数えてみました。

 まず、平均律の前に学ぶことの多い「インベンションとシンフォニア」がだいたいどの曲も30小節であることから、30小節以下の曲を挙げてみます。

 参考までに、バルトークの難易度順で前半の1/4に当たる12番目までのものに下線をしました。ヘンレ社の難易度ですが、「インヴェンション」が3から4、「シンフォニア」が4から5ですので、5以下を太字にしました。

第1巻
第1番(4声) 27小節 ハ長調 バルトーク22番目 ヘンレ等級6
第5番(4声) 27小節 ニ長調(♯が2つ) バルトーク18番目 ヘンレ等級5
第9番(3声) 29小節 ホ長調(♯が4つ) バルトーク8番目 ヘンレ等級5/6

第2巻
第2番(4声) 28小節 ハ短調(♭が3つ) バルトーク17番目 ヘンレ等級5/6
第6番(3声) 27小節 ニ短調(♭が2つ) バルトーク11番目 ヘンレ等級5
第19番(3声) 29小節 イ長調(♯が3つ) バルトーク12番目 ヘンレ等級6/7
第20番(3声) 28小節 イ短調 バルトーク5番目 ヘンレ等級5/6

 こうしてみると、短い曲については、短調の曲は平均律第2巻の方が多いことがわかります。

 バルトークとヘンレで一致して易しい方だとするのは第2巻の第6番です。バルトークとヘンレでは難易度が食い違いますが、第2巻の第20番は♯や♭が無い上、3声ですので、これまで述べてきた基準からすると、一番易しい曲かもしれません。第1巻の5番は、最もフーガらしくない曲で、ヘンレは易しい方だと判断しています。

 実は、わたし個人はこの中では第2巻第2番が一番易しいと思っています。この曲は4声ですが、かなりの部分が3声で演奏されます。また、オクターブを超える跳躍などのテクニック面の難所もなく、短調の曲ですのでかなりゆっくり弾いても大丈夫です。

 もう少しサンプルを増やすために、40小節台までの曲を挙げてみます。

第1巻
第2番(3声) 31小節 ハ短調(♭が3つ) バルトーク7番目 ヘンレ等級4/5 
第6番(3声) 44小節 ニ短調(♭が1つ) バルトーク2番目 ヘンレ等級4/5
第7番(3声) 37小節 変ホ長調(♭が3つ) バルトーク19番目 ヘンレ等級6
第10番(2声) 42小節 ホ短調(♯が1つ) バルトーク4番目 ヘンレ等級4 
第13番(3声) 35小節 嬰へ長調(♯が6つ) バルトーク9番目 ヘンレ等級4/5
第14番(4声) 40小節 嬰へ短調(♯が3つ) バルトーク15番目 ヘンレ等級4/5
第16番(4声) 34小節 ト短調(♭が2つ) バルトーク30番目 ヘンレ等級5/6
第17番(4声) 35小節 変イ長調(♭が4つ) バルトーク23番目 ヘンレ等級5
第18番(4声) 41小節 嬰ト短調(♯が5つ) バルトーク16番目 ヘンレ等級5
第21番(3声) 48小節 変ロ長調(♭が2つ) バルトーク3番目 ヘンレ等級5
第23番(4声) 34小節 ロ長調(♯が5つ) バルトーク36番目 ヘンレ等級5

第2巻
第3番(3声) 35小節 嬰ハ長調(♯が7つ) バルトーク37番目 ヘンレ等級6
第8番(4声) 46小節 嬰ニ短調(♯が6つ) バルトーク40番目 ヘンレ等級7
第9番(4声) 43小節 ホ長調(♯が4つ) バルトーク34番目 ヘンレ等級4/5

 40小節前後の曲では、第2巻はかなり難しい曲だとバルトークは判断しているようですが、ヘンレでは第9番を易しいとみなしています。

 第1巻に目を転じると、第2番第6番第10番第13番第21番が、バルトーク、ヘンレともに比較的易しいとみなしているようです。第14番第18番も、これらに準じるものと思います。

 バルトーク、ヘンレともに、第2巻の第2番の方が第1巻の第2番よりも難しいとしています。私見では、第1巻の第2番は、オクターブを超える跳躍、重音の連続など、テクニック面で難しい個所が多いと思います。もちろん、最も愛されている名曲ですし、楽曲の構造自体は非常にクリアなので、テクニック面で心配がない人はすぐに取り組めるでしょう。

第1巻の第16番は、バルトーク、ヘンレともに比較的難しい曲としています。一方で、作曲学的にはこれは「学校フーガ風」と呼ばれていて、割に簡単な作りになっています。確かに、中盤でオクターブ以上に指を開いたまま2声部を引く難所がありますが、そこさえクリアすれば、なんとか弾けるのではないでしょうか?

 色々と書いてきましたが、バッハ平均律の難易度を小節数で判断するという考えはいかがでしたでしょうか? 40小節台まで視野に入れると、だいたいこれまでに示されてきた難易度が易しい曲と同じような曲が選定されてきているように思います。

 もちろん、難易度に関わらず、弾きたい曲から練習するというのが、ピアノを楽しむコツだと思いますので、それほどこだわらないでもいいと思います。あくまでも参考ということで。

 最後に、楽譜について。プロやプロを目指す人はヘンレ版が一番いいと思います。アンドラーシュ・シフの運指もよく考えられていていいと思います。ただ、初心者が取り組むには、もう少し運指が詳しい方がいいかもしれません。

 その点では、高木版ムジェリーニ版は運指がかなり詳しくて参考になります。ムジェリーニ版は、音符間の幅が狭くちょっと見づらい曲もあるのですが、弾きやすい運指が工夫されています。

 弾きやすいという点では、ムジェリーニ版、バルトーク版ブゾーニ版は、二段譜の上が右手、下が左手という風に譜割していますので、どの音をどちらの手で弾くかが一目瞭然となっています。ただ、部分的に、五線譜をはみ出したところに何本も臨時の線が付いていて、読譜がしずらいと感じる人もいるかもしれません。

 解説の詳しさは、もちろん、市田版。研究書の方には、難しい個所の運指例がいくつかあったり、そちらも参考になります。トーヴィ版の解説もそれなりに役立ちます。ヘルマン・ケラーの研究書『バッハの平均律クラヴィーア曲集』は、つねに手元に置いて参照したい本。

2017年1月 4日 (水)

明けましておめでとうございます

 みなさま、明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いします。

 昨年後半は色々な仕事を同時に抱えて、人生で最も忙しい時期を過ごしたのではないかと思うほどでした。今年は、遅れがちなお仕事の本を順次完成させていきたいと思っています。

 毎年、1年のテーマを決めて、聖書から1節を選ぶのですが、今年は「主よ。あなたの恵みは天にあり、あなたの真実は雲にまで及びます」(詩篇36:5)というものにしました。日々、神様からの恵みを感じる人生でありたい、という願いからこの聖句を選びました。

 今年は宗教改革500周年ということで、わたしは詩篇歌の研究をしたいと思っています。ご存知のように、ルターの功績は、その神学的な部分はもちろん、聖書翻訳や讃美歌(コラール)の作曲というものも大きな業績です。

 同じく宗教改革で活躍したカルヴァンは、詩篇こそ讃美の基礎だとして、150篇すべてに曲を付けるというプロジェクトを行いました。これはジュネーブ詩編歌と呼ばれるもので、現在もカルヴァンの流れをくむ改革派教会で歌われています。

 この楽譜は、日本語版が以前にはあったのですが、現在は入手が難しいようです(幸いは、わたしは発売されたときに買ってありました)。一方、カナダの改革派教会では最近改訂版を出しているようです。このどちらもメロディだけなのですが、何人かの方が四声合唱形式の伴奏譜を作っています。無料のものもあります。また、昨年暮れに、銀座の教文館で日本人の方が作られた伴奏譜や初版のリプリントが含まれた資料などを購入してきました。讃美歌のルーツに迫るこの研究は非常に楽しみです。

 小説の方は、昨年暮れに、とある(仮想現実)歴史小説のネタを考え付いて、何人かの人に話を聞いてもらったところ、感触がよさそうだったので、おもむろに資料を色々集めて、シノプシスも作って準備を進めているところですが、まだ執筆には至っていません。しばらく書いていなかったので、短編でも書いてみて感覚を取り戻そうかと思っています。

 趣味の方は、やはり昨年暮れにNuvoのjSaxというのを買いました。密林でタイムセールスのときに少し安く買えました。リード楽器は初めてなので、運指よりもアンブシュアとか腹式呼吸とか、そういうところが大変だと思いました。ロングトーンを毎日やって鍛えていきたいと思います。

 『ピアノを弾く哲学者』という本に「いつまでも上手くならないショパンを弾くサルトル」という1節がありますが、さしずめわたしは、いつまでも上手くならないバッハのフーガを弾いているということになりますかね? 

 昨年は、「インヴェンションとシンフォニア」から数曲やった後、平均律に取り組んでみました。おそらく、シンフォニアをやった後だと、平均律のフーガは技術的にそれほど飛躍は感じなかったのですが、曲が長いので最後まで集中力が持ちません(笑。シンフォニアではだいたい30小節くらいなのですが、その倍以上とかがザラですので。

 バルトーク校訂版の楽譜がフーガの難易度別に配列されているので有名ですが、ヘンレ社のカタログとか他の方が色々と難易度を調べてくれていて、確かに第1巻の6番とか第2巻の15番とかは、それほど声部が込み合っていなくて比較的易しいと思います。

 しかし、わたしのような初心者にとっては、曲の難易度もさることながら、曲の長さも重要な要素だと感じています。特に、練習時間のあまりとれない人の場合。それで、調べてみると、40小節前後の比較的短いフーガもあるんですね。例えば、第1巻の2番とか第2巻の2番。しかも、どちらも名曲。難しいところもありますが、短いのでなんとか最後まで弾ける、という感触を味わえると思います。

 あと、昨年暮れに突然レパートリーを増やすことにしました。まず、ショパン。あまり好きではなかったのですが、短調のワルツとかマズルカとかは、実際に弾いてみるといい感じだったので。しかも、テンポはゆっくり目で難易度はそれほど高くないので、パデレフスキ版とエキエル版(英語版の方が安い)で、ワルツ、マズルカ、ノクターン、プレリュードを買ってきました。

 で、マズルカをはじめショパンの曲にはポーランドの民族舞踊が染みついている、ということから、民族音楽といえばバルトークだろう、ということで「子供のために」の楽譜を買ってみました(「ミクロコスモス」は以前から持っていたのです)。あと、色々とバルトークの音楽に関する研究書も買ってみました。五音音階とか旋法とかジャズとも通じる要素がいっぱいなのが、バルトークの魅力ですね!

 他には、ハチャトゥリアンの「少年時代の画集」。この中の「エチュード」はピアニスト好みの曲ですが、1曲目の「小さな歌」がまたいいのです。聞いた覚えがあるなあと思っていたら、シャルロット・ゲンズブールのCDに、お父さんのセルジュが作っためっちゃいかがわしい替え歌が入っていました。でも、いい曲です。

 そんな感じで、わたしでも弾けそうな曲を増やしているところです。

2016年5月14日 (土)

ピアノでジャズ!(その6)

 昨日、また頼んでいた本が届いたのでご紹介します。これです。

Phil Degreg著、Jazz Keyboard Harmony : Voicing Method for All Musicians

 これは実に素晴らしい本です。内容は、基本的には、II-V-Iをはじめとするジャズの基本となるコード進行ごとに、すべてのキーでコード・ヴォイシングを練習するための教則本です。

 類書とは違ってこの本の素晴らしいところは、このブログで説明してきた2音ヴォイシングから始めているところです。これなら初心者でもすぐに始められます。

 はじめに左手だけの2音ヴォイシング(shell voicing)を練習します。次に、それを右手でやりつつ左手はベース音を叩く3音ヴォイシング。それから4音。。。という風に、段階的により高度なヴォイシングをマスターしていく仕組みです。

 各段階の最後には、ブルースやリズム・チェンジの練習曲(オリジナル)が5曲ほどあり、同じ5曲を各段階で学んだヴォイシングで練習するということになっています。CDも付属しており、これを使って模範演奏を聴いたり、マイナスワンで練習もできます。至れり尽くせりの内容です。

 きっと、この本を見れば、「なんで今まで誰も、2音ヴォイシングからジャズを教えてくれなかったの? これなら挫折しなかったのに!」と思うに違いありません。

 ということで、このブログを見てきて、2音ヴォイシングでもっと他の曲をやってみたい!という人や、2音ヴォイシングって使えるの?怪しい!と思っている人にはぜひ手に取ってもらいたいです。

 さて、今日の本題はビートルズでジャズ!です。

 今更ながら、というかもっと早くに気が付くべきだったのですが、ビートルズの曲って、ほとんどジャズだよね?というものが結構あります。ビートルズの曲は、ディズニー映画の曲と並んで最もよくジャズにアレンジされるのではないかと思います。

 例えば、現代最高のジャズ・ピアニストの1人であるブラッド・メルドー(Brad Mehldau)のThe Art of the TrioのVol.1にはBlackbirdが収録されていますし、ハービー・ハンコックのThe New StandardにはNorwegian Woodがあります。

 もちろん、こうしたアレンジは他にもたくさんあると思います。しかし、オリジナルの曲自体がもうジャズそのものというのも少なくないのです。まあ、もとはR&Bのコピーから始まったバンドなので、ブルース調の曲があっても少しもおかしくないわけですが。

 例えば、Maxwell's Silver HammerWhen I'm Sixty FourBirthdayといった曲を取り上げてみますと、これらの曲のメロディはブルース・スケールでできています。

 原曲は必ずしもジャズやブルースでよく使われるキーではない場合もあるので少しわかりにくいかもしれませんが、移調してみるとハッキリします。

 といって、自分で移調するのは大変!と思う人もいるでしょう。そこでご紹介するのが以下の本です。

Ray Connolly著、The Beatles Complete - Piano/organ Edition

 この本は、ビートルズ(とジョン・レノン)が1962年から1974年の間に発表した曲がほぼすべて、ピアノ・オルガン用にアレンジされて収められています。ただし、原曲とは違うキーに移調されています。右手では1音か2音、左手は2音で演奏するようにアレンジされています。

 例えば、次のような感じです。

 Maxwell's Silver Hammer D → Eb
 When I'm Sixty Four C → Bb
 Birthday A → Bb

 それで、Maxwell's Silver Hammerでは、左手はストライド奏法で演奏するようになっていますので、いっそうジャズっぽく感じます。全部調べたわけではないのですが、多くの曲がジャズでよく使うキーに移調されているようです。

 また、この楽譜ではほぼすべて2音ヴォイシングになっていますので、ビートルズの曲を通じて、ジャズの2音ヴォイシングを練習できるというわけですね! 中級以上の人には簡単すぎるアレンジ楽譜ですが、お勧めです。

 最後に、いくつか注意をお願いします。

 実は最初、自分でビートルズの曲をジャズっぽくアレンジするためにリードシートを探していたところ、この楽譜のコピーをインターネットで見つけました。たぶん、違法コピーですね。ただ、上記のように、すごくいい楽譜だったので、ちゃんとした本で手に入れたいと考えました。

 PDFにはアレンジャーの名前も出ていませんし、表紙の書名も違ったので、探すのに苦労しました。最終的には、楽譜にオルガンのレジストレーション番号が書いてあったことから、おそらくオルガン向け編曲だと目星をつけて検索して、上記の本にたどり着きました。

 まだ届いていないので100%確かではないのですが、いくつかのネット書店の見本とPDFを見比べて、同じ楽譜だと確信しています。ご心配の方は、わたしが実際に手に入れるまで、手を出すのを控えていただければと思います。

 それから、ここで紹介している本のリンクを以下に示していますが、当該のネット書店では在庫していない場合も多いと思います。ところが、他のネット書店ではふつうに手に入る場合が多いので、以下のリンクはあくまでも参考ということにしてください。

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